2022/02/27ブログ
成人年齢の引き下げ
令和4年4月1日より、成人年齢が18歳に引き下げられます(飲酒や喫煙などの一部は除きます)。
18歳になれば、親権者等の大人の同意なしに、自らの判断において、契約等をすることができるようになります。
約140年間、日本社会において、成人年齢は20歳とされてきました。
新しい制度が導入される場合には、良くも悪くも移行に伴う課題が発生し、この課題をクリアすることも必要となります。
成人年齢引き下げに伴ってクリアすべき課題としては、やはり、成人間近の未成年者の方々に契約に関わる基本知識を身につけていただくことだと思っています。
特に、現在は、スマートフォンやパソコンを通じて、契約に結びつくような様々な情報が私生活に飛び込んでくる上、契約が容易に締結されるようなシステムが溢れており、契約の基本知識は必須といえます。
成人になったばかりの大半の方々は、まだ、社会内のルールに関わる基本知識や経験を十分に持ち合わせていないでしょうから、その知識・経験不足により、想定していなかったような約束をして、経済的・精神的ダメージを被る可能性があります。
また、そのような知識・経験不足につけ込まれるリスクも大きいと言われています。
消費者庁等も、注意喚起し、啓発をしているところです(例えば「社会への扉」)。
成人間近の未成年者が周囲にいらっしゃる大人の方は、ぜひ、社会の先輩として、契約に関わる知識や経験を伝えてあげてほしいと思います。
私であれば、例えば、次のようなことを、新成人前後の世代のみなさんにお伝えしたいと考えています。
【契約初心者心得】
その1 契約は、
必ず守らなくてはならない
お約束
→これが大人の
基本ルール!
その2 契約の大半は
お金の支払いが
必要
→そのお金、
自分できちんと
払えますか?
その3 契約は慎重に
→本当に、
あなたの貴重なエネルギー(金銭を含む)を
使用する場面ですか?
*「もうかる」
「美しくなる」
は特に注意!
その3 無料ならば、
その理由を考えよう
(あなたが逆の立場であればどう考えますか)
→無料の理由がわかりますか?
納得できますか?
その4 うまい話は
本当にうまいものですか
(あなたが逆の立場であればどう考えますか)
→うまい話のうまみは
どこから生み出されるのでしょう
(損をしているところはどこ)?
その5 契約初心者は、
知識・経験不足を
恥じることなく相談しましょう
→迷ったり、わからなかったら、
知識・経験をもった大人に
聞きましょう
(弁護士 坂手亜矢子)