会社の経営

債権回収

債権回収で、まず考えるべきこと

債権回収には、①債権の存否・内容の争いと、②回収可能性という、2つの問題があります。これらのうち①は法律論が大きく関わってくるのに対して、後者の②は専ら事実上の問題で、債権があることが明らかでも、「相手にお金がなければどうしようもない(ない袖は振れない)」、「隠された財産は債権者自身が見つけ出すほかない(法律・裁判所が勝手に探し出してくれるわけではない)」という問題です。
債権回収では、この2つの問題を区別して考える必要があります。

債権の存否・内容の争い

債権は、時間が経つほど劣化していくといわれています。債務者の財産が流出したり隠されたりするリスクが、時間が経つほど高まるからです。そこを意識し、費用対効果も考えて、判決をとってから執行するのか、裁判をする前に仮差押えをするのかなどの法的手法を検討することになります。

将来に備えてできること

債権回収は企業経営の根幹をなすものです。そのための事前準備は日々の経営の土台づくりと一体の関係であり、早期対応は危機管理の一環といえます。

事前準備としては、金額等が明示された契約書の作成がなによりも重要ですが、業態によっては契約内容の変更が頻繁にあるため、契約書の作成が困難な場合も少なくありません。そのような場合には、日常の業務の便宜を図りつつ、いかに立証可能な程度の証拠を確保するかという視点で工夫をこらしてみることが大切です。

また、危機管理のために重要なのは、情報の確保です。相手方の資産状況やその取引先などを把握しておくことは、その相手方との取引という営業・経営において重要であることはいうまでもありませんが、それだけでなく、債権回収の際に押さえることができる相手方の財産(回収のための原資)の事前把握という意味でも、実は大切なことです。

弁護士としての取り組み

ご依頼を受けた弁護士としましては、事前準備について、たとえば契約書作成等に関わることができます。回収の場面では、内容証明の送付からはじまり、交渉・保全(仮差押え)・訴訟提起・執行の各場面において、代理することになります。

事業承継

こんな話を聞いたことはないでしょうか。
「先月まであんなに元気でバリバリ仕事をしていた名物社長が急に亡くなった。62歳だったけれど、まだまだ現役で、『若い者にはまかせない』が口癖の典型的なワンマン社長だった。その社長が急に亡くなったので、誰が次の社長になるかでお家騒動が勃発しているらしい。社長の長男と次男は自分が社長になると言ってお互い譲らないらしく、社内が長男派と次男派に分かれて反目しあっているそうだ。おかげで新製品の開発どころか営業すらまともにできていなくて、業績は右肩下がりらしい。銀行には追加融資を断られたらしいし、あの会社も、早晩、倒産だな。」

我が国の企業の大半は、いわゆる中小企業ですが、こういった話は中小企業にとって珍しくないのではないでしょうか。最近は社長の高齢化が進み、年間7万社もの企業が後継者不在を理由として廃業しているとの報告もあります。そして、廃業に伴って雇用を喪失する従業員は年間20~35万人にものぼると言われており、その影響ははかりしれません。

このようなことにならないようにするためには、例えば、社長が元気なうちに後継者をきちんと決めておくことや、その後継者に会社を支配・掌握する道筋をつけておくことなど、事前のしっかりした準備が必要不可欠です。また、廃業の危機こそなくても、例えば、なにも対策をしなければ莫大な相続税がかかってしまい、後継者が相続税を支払えないということになってしまうかもしれません。

こういったことにならないよう、遺言を活用し、遺留分対策をはかり、また会社法を活用するなどといったことは、まさに弁護士の職分です。
何かあってからでは遅すぎます。何かある前に、まず弁護士にご相談ください。

© きずな西大寺法律事務所