2022/10/25ブログ
裁判所のIT化
約5年前、来日された韓国の弁護士の方とご一緒させていただく機会がありました。
その際、「韓国では、裁判所に出向くのは尋問期日くらいなんですよ」と教えていただきました。
当時の私は、具体的なイメージがわかず、夢物語のように思っていました。
今、日本の裁判所において、IT化が着々と進んでいます。
裁判所は、民事訴訟については、次のような3段階でIT化を進めています。
1 フェーズ1:ウエブ会議・テレビ会議等の運用
2 フェーズ2:弁論争点整理等の運用
3 フェーズ3:オンラインでの申立て等の運用
令和2年より、フェーズ1の運用が開始されました。
コロナ感染予防の要請も手伝って、奈良地方裁判所でもウエブ会議(Microsoft Teams )を利用することが増えてきています。
当初は戸惑っていた操作にも少しずつ慣れ、移動時間と費用の節約という利点を実感しています。
一部の裁判所では、フェーズ3の前倒しとして、これまでFAXでの提出が認められている書面をオンラインで提出できるシステム(mints(ミンツ))の利用も始まっています。
mintsは、最高裁判所が独自に開発したシステムで、現在も改良を重ねているとのことです。
また、一部の家庭裁判所においては、ウエブ会議を利用した期日が実施されています。
IT化のメリットとデメリットを理解して、新しい制度に対応していきたいと思います。
追記:現段階で、ウエブ会議等を利用できるのは双方当事者に訴訟代理人・申立代理人が就いている場合に限られています。
(坂手)