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無戸籍について

水丸です。
突然ですが、昨年から頭を離れない事件があります。
大阪で無戸籍の親子のお母さんが餓死し、息子さんも衰弱していた事件です。無戸籍だったので助けを求められなかった、と報道されていました。

私は、平成30年から昨年まで奈良県無戸籍者支援協議会に参加していました。
この協議会をきっかけに無戸籍当事者の方と接することが多々ありました。そこで、無戸籍児の親御さんの不安や、戸籍がない高齢者の困窮状況を知り、無戸籍はゆゆしき人権問題であることを実感として知りました。
そうした中で、いわゆる「離婚後300日問題」で生まれる無戸籍児については、行政の把握が実数に近づいているように感じていました。 ただ、成人の無戸籍者については実数不明の印象でした。
そんな折、冒頭の餓死事件の悲劇を知り、無戸籍問題にライフワークとして取り組んでいきたいと思うようになりました。

ところで、無戸籍者とは「出生届が出されていない」方を意味します。この意味ですと、失踪宣告されたけど実際には存命している方は、無戸籍者に含まれません。ただ、失踪宣告の場合も戸籍がない弊害は無戸籍者と同じです。個人的に、失踪宣告された場合も含めて「無戸籍」問題と考えています。
現在、戸籍がなくても、住民票が作成されたり、学校に通えたり、生活保護を受けられたりします。しかしながら、選挙権が行使できない、婚姻届を出せない、運転免許が取得できない、など弊害も多く残っています。
奈良県のような車社会では、運転免許が取得できない点だけでも大きな問題です。(私自身はペーパードライバーですが、権利の観点から言い直せば、運転免許を取得する選択をした上で、あえて運転しないという選択をしています。)

無戸籍問題の解決方法として、就籍(しゅうせき)許可審判や認知審判、失踪宣告取消審判などの家庭裁判所の手続きがあります。 ご自身やご家族の戸籍がない場合や、離婚後300日以内のご出産などで出生届を悩まれる事情がある場合など、ぜひご相談いただければと思います。(水丸貴美子)
2021年03月24日