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「見出された」サリエリ

アントーニオ・サリエリは、1750年にイタリア北部で生まれましたが、15歳のときにヨーゼフ2世の宮廷楽長を務めていたガスマンに見出されてウィーンに赴きます。そして、ガスマンの死後すぐに宮廷室内作曲家及びイタリアオペラ指揮者の地位を受け継ぎます。そして、その後、宮廷楽長の地位も得て、50年以上もの間ウィーンの音楽界で重要な地位を占めます。

「やきもち焼きの学校」、「ヴェネツィアの市」、「タラール」、「ファルスタッフ」、「我らが主イエス・キリストの受難」、「見出されたエウローパ」など、手に入るものは大体買いましたが、残念ながら仕事が忙しくてまだ半分くらいしか見られていません・・・
というわけで、サリエリについて感想を述べることができるような資格のかけらもない私ですが、「見出されたエウローパ」はすぐに好きになりました。本作は、サリエリの上品で優雅な曲で満ち溢れています。また、ソプラノが四人という高音女声好きにはたまらない構成になっています。高度な技巧を要するであろう歌唱が多くて、こんな歌をよく歌えたものだと思います。また、1幕と2幕の間のバレエの際に流れる曲も繊細で優雅です。

「見出されたエウローパ」は、1778年にミラノのスカラ座のこけら落しの際に上演され、その後200年以上上演されませんでしたが、2004年にスカラ座の改築工事明けに、再上演されます。主演はディアナ・ダムラウ、指揮はリッカルド・ムーティで、これがDVD化されて購入可能です。

サリエリは、日本で上演されないというだけでなく、20年程度前までは、欧州でもほぼ全く上演されず、忘れられた存在となっていたようですが、最近は再評価が進みつつあり、「見出され」つつあります。サリエリの人生や作品については、「サリエーリ 生涯と作品(新版)」(復刊ドットコム、水谷彰良著)に詳述されていますので、ご興味を持たれたらお読みになることをお勧めします。

2025年が没後200年となりますが、その機会に、日本でもどこかの歌劇場で上演してほしいものですね。 (松井 和弘)
2021年02月25日