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語源について2(nectar,nectarine)

果物売場に行くと、季節に応じて沢山の種類の果物が並んでいます。
大抵は、りんごやはっさくのような一般的な果物を買うのですが、たまに、よく知らない果物を買うと、新しい味に出会えて楽しいものです。

最近、果物売場で少しだけ並んでいたネクタリン(標準和名:ズバイモモ)を買いました。形は、スモモそのもので、大きさはスモモよりも一回り大きかったです。食べてみると、酸味と甘みがいいバランスで、桃とスモモの間の味(私はスモモ寄りだと思いました)がして、おいしかったです。

ネクタリン(nectarine)は、nectarから来ています。nectarは、ギリシャ神話での神々の飲物であり、大変美味で不老不死をもたらすものとされます。
「nectarはギリシャ語の語根nek-(死)とtar-(打ち勝つ)とからなると考えられている。その美味しさ故に、nectarine peach(ズバイモモ)と名づけられた果物は後には単にnectarine(ネクタリン)と呼ばれるようになった。」【シップリー英語語源事典初版第2刷(大修館書店)37頁(ambrosiaの項)から引用】とのことです。

上記のように、nectarは、神々の飲物ということで、桃とは直接関係は無いのですが、私がネクターという言葉に初めて触れたのは、ネクターという商品名の濃厚な桃の缶ジュースでした。濃厚な桃の味がして、缶ジュースの中では、この甘さの上品さは随一だと思っています。他の缶ジュースで代替できる味ではないと思えて、私は好きなんですが、この桃ジュースの印象がずっと残っていたおかげで、その後ギリシャ神話等でnectarが出てくる度に、あの濃厚な桃の味がしましたね。(松井和弘)
2020年08月10日