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離婚と婚姻の無効

今年の2月から当事務所に入所しました弁護士の松井和弘です。
今月のブログ担当は私が務めさせていただきます。よろしくお願い致します。

ご相談やご依頼いただく際には、このブログの内容を踏まえていただく必要は一切ございませんので、気軽にお読みいただければと存じます。

さて、私たち弁護士は、離婚事件を担当させていただくことが多々ありますが、民法には、「婚姻の無効」(民法742条)も定められています。
離婚は、有効に成立した婚姻関係を解消することであるのに対して、婚姻の無効は、そもそも婚姻関係が無効ということになります。
民法では、婚姻の無効は、人違いなどによって当事者間に婚姻の意思が無いときに限って認められます。

現在の日本では、離婚の果たす役割の方が、婚姻の無効よりもはるかに大きいのですが、中世から近世のヨーロッパを扱った本を読んでいますと、婚姻の無効の果たす役割の大きさに驚かされることがあります。
当時、ヨーロッパでは、キリスト教の強い影響のもと、離婚が認められていませんでした。ところが、やはり、結婚は人間と人間との間のことですから、婚姻関係を解消したい場合も出てくるわけです。
そこで、有効な婚姻関係を解消するのではなく、婚姻関係が最初から無効であったとする婚姻の無効が使われることになりました。ただし、婚姻の無効が認められるためには(カトリックの場合は)ローマ教皇の許可が必要でした。このローマ教皇の許可を巡って、歴史上、様々なドラマが生まれました。(松井和弘)
2020年05月17日